数十%を超える高利回りのレンディングは安全ですか?

レンディングサービスに「APY 30%」または「APY 100%」などと表示されていても、利回りだけを見て利用することは避けてください。

数十%を超える利回りが一時的に発生する仕組みはありますが、その利回りがキャンペーン期間が終了するまで安全に続くとは限りません。

レンディングサービスとは

レンディングとは、保有している暗号資産やトークンを貸し出し、その対価として利息を受け取る仕組みです。

DeFiのレンディングでは、利用者が預けたトークンが流動性プールへ供給され、借り手が支払う利息の一部を貸し手が受け取る形式があります。

借り手が担保を預ける「過剰担保型」のサービスもありますが、担保があることは貸し手の元本が保証されることを意味しません。急激な価格変動や清算の遅れ、スマートコントラクトの不具合などにより、損失が発生する可能性があります。

APYとは

APYは「Annual Percentage Yield」の略で、複利を含めた収益率を1年間に換算した数値です。

ただし、DAppsに表示されるAPYは、現在の短期的な利率が1年間続くと仮定して計算されている場合があります。APY 30%と表示されていても、その利率が1年間固定されているとは限りません。

ステーキングとの違い

レンディングとステーキングは、トークンを預けて報酬を得る点は似ていますが、報酬が発生する理由が異なります。

仕組み主な目的報酬の主な原資
レンディングトークンを貸し出す借り手が支払う利息など
ステーキングブロックチェーンの検証や安全性に参加するネットワークからの報酬など

ただし、DAppsによっては、ネットワークの検証とは関係なく、トークンを預けて報酬を受け取るサービスを「ステーキング」と呼んでいる場合があります。名称だけで判断せず、預けた資産がどのように使われるのかを確認してください。

数十%を超える利回りは本当に可能なのか

短期間であれば、数十%を超えるAPYが表示されることはあります。

主な要因として、次のようなものがあります。

  • 借り手が急増し、一時的に金利が上昇している
  • サービス開始時のキャンペーン費用で補助されている
  • 新しく発行した報酬トークンを大量に配布している
  • リスクの高い運用やレバレッジ取引を行っている
  • 預けられた資金が少なく、計算上のAPYだけが高くなっている

問題は、数十%という数字を表示できるかではなく、誰が、どの収益から、その利回りを支払うのかです。

借り手が支払う利息だけを原資にする場合、貸し手への利回りを支えるには、それを上回る借入金利や手数料収入が必要になります。キャンペーン費用や報酬トークンによって利回りを補助している場合は、その補助が終了した後も仕組みが続くのかを確認する必要があります。

説明できる収益源がなく、新しい参加者の資金や新規発行トークンだけに依存している場合、利回りが急低下したり、出金できなくなったりする可能性があります。

また、インフルエンサーなどへリファラル報酬(紹介報酬)を支払う大規模なキャンペーンを行っている場合、その費用もどこかから捻出されています。利回りに加えて広告費や紹介報酬まで、サービスがどのような収益で継続的に賄うのかを考える必要があります。

FOMOに注意する

FOMOとは「Fear of Missing Out」の略で、「今参加しなければ機会を逃してしまう」という恐怖から、十分に確認せず行動してしまう心理を指します。

  • キャンペーン終了まで残りわずか
  • 早く預けた人ほど高利回り
  • SNSで利益報告が急増している
  • APYが下がる前に参加したい

このような状況では、サービスの仕組みをじっくり検証するよりも、参加を急ぐ気持ちが優先されやすくなります。

期間限定や参加者数の表示に急かされても、理解できないサービスへ資産を預ける必要はありません。

利用前に確認すること

数十%を超えるレンディングサービスでは、少なくとも次の点を確認してください。

  • 利回りの原資を説明できるか
  • APYは固定か、変動か
  • 報酬は何のトークンで支払われるか
  • 借り手に担保が必要か、担保率はどの程度か
  • 担保不足が発生した場合、誰が損失を負担するか
  • 元本や利益をいつでも出金できるか
  • 運営者と問い合わせ先が確認できるか
  • スマートコントラクトの監査結果があるか
  • トークンの価格下落やデペッグの影響を受けないか
  • 最悪の場合、預けた資産をすべて失っても許容できるか

数十%を超えるAPYだけで、直ちに詐欺と断定することはできません。しかし、低リスクで高利回りが保証される仕組みとは考えないでください。

仕組みや利回りの原資を確認できない場合は、FOMOで判断せず、ウォレットを接続したり資産を預けたりしないことが重要です。

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